2021/05/08

京の名水


私は大阪出身ですが、高校生の頃から京都に憧れを持っていました。
故郷の大阪はかつて、水の都として「浪速の八百八橋」と呼ばれていました。市中に100双くらいの船が飲み水を売り歩いていたそうです。少し豊かな家には水壺が二つあり、一つは買った水が入れてあり、もう一つは普通の井戸水が入れられていました。井戸水は「洗い水」で、大阪の多くは湿地帯を埋め立てた土地で井戸を掘っても金気の含んだ悪い水しか出なかったそうです。

それに比べて京都は茶の湯に使われるほど美味しい水が豊富に出たので、少し口の悪い人は「水と言葉は、下にくだるほど汚れるのよ」と大阪を下に見ていたこともあったようです。大阪出身の私は苦笑いするしかありません。

kokeの中村シェフによると、IDOの水は、魚を捌いても違いが分かるそうです。丸魚に包丁を入れて水洗いするとき、彼が東京の店で水道水を使っていたときに比べて、明らかに魚の身が締まった状態をキープすることができ持ちが変わるとのこと。これは新しい発見です。

今では、京都でも井戸水は少なくなり、料理に井戸水を惜しみなく使えるほど贅沢なことはありません。ぜひ「美味しい水」からのおもてなしを、IDOCHAで体験していただきたいと思います。