2021/05/01

IDOのはじまり



敷地には元々、井戸があり1分間に100リットルが流出するという豊富な井戸水に恵まれています。この井戸水を最大限活用する施設を造ろうと思ったのが、このプロジェクトの始まりでした。


関東の水は山が遠く(軟水の中でも)硬度が高く出汁が出にくいと言われています。硬度が高い水はミネラル成分がじゃまをして出汁の成分が溶け込みにくいからです。一方、京都の水は山が近く軟水なので、出汁を取るのに最適です。この京都の名水により香りを楽しむ繊細な京料理が生まれ、茶の湯の文化が発展しました。


「湧き水」から始まる自然の魅力をIDOの庭はうまく表現しています。作庭した山下雅弘氏は山に近い井戸から水が湧いている様子を現し、彫刻家の冨永敦也氏は上流にある石はゴツゴツしていて、下流にある石は川を下る間に表面が削られ滑らかになる、という「自然の力」を彫刻で表現しました。


この自然の水を惜しみなく使えることは、IDOにある全ての店舗の特権です。